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目次
米国特許制度の変化
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(1)はじめに
今年11月中旬、おつきあいのある米国法律事務所の弁護士が弊社の横浜オフィスを訪問し、米国特許の最新トピックスについて話をしてくれた。今回は、そのトピックスの中の主なものを以下の(2)~(5)にピックアップしてお話をしたい。
(2)AI関連発明の特許性
米国特許商標庁(USPTO)の審査官は、AIを含むコンピュータ関連発明が抽象的なアイデアであると判断した場合には、特許法第101条(法的保護適格性)を満たさないとして拒絶する。これは、日本でも同様である。しかし、特許法第101条(以後、単に「第101条」という。)の適否を争った主な最高裁判決、具体的には、MAYO COLLABORATIVE SERVICES v. PROMETHEUS LABORATORIES, INC. (March 20, 2012)、ASSOCIATION FOR MOLECULAR PATHOLOGY v. MYRIAD GENETICS, INC. (June 13, 2013)及びALICE CORP. v. CLS BANK INT’L(June 19, 2014)以後、USPTOは、第101条の適用により頻繁に拒絶する傾向が強くなった。極端に言うと、コンピュータ関連発明が機能的にクレームとして記載されていると、何でもかんでも抽象的なアイデアと判断して拒絶する傾向が強くなった。その後、このような行き過ぎを少し元に戻す動きが生じ、USPTOは、第101条により拒絶するプラクティスを緩め、現在に至っている。
今年9月にUSPTO長官に就任したJohn Squires氏は、さらに、第101条により拒絶する基準を緩和すべきと、USPTOUメモランダムという形で公表した。近い将来、コンピュータ関連発明の法的保護適格性が現状よりさらに緩くなり、新規性や非自明性等の他の要件を具備すれば特許になるケースも多くなると予想される。
(3)審査官インタビューの回数制限
Squires氏は、審査官に対するインタビューを制限する提言を行った。同氏によると、インタビューは原則1回で、継続審査要求(RCE)を行った場合には回数がクリアとなり再度インタビュー可能になるようにする、とのことである。インタビューは、今まで、最後の拒絶理由通知後でも普通に行うことができた。しかし、米国代理人によると、今後、最後の拒絶理由通知後のインタビューについては、審査官の判断により行わないというケースも頻発すると予想される、とのことである。
(4)古すぎる米国特許出願に基づく継続出願または分割出願に対する割増庁費用
USPTOは、米国の正規特許出願から6~9年経過して継続出願又は分割出願する場合には、割増庁費用として2700ドルを徴収し、さらに9年を超えて継続出願又は分割出願した場合には割増庁費用として4000ドルを徴収するそうである。なお、上記年数には、仮出願から本出願までの期間、あるいはパリ条約優先権を主張できる期間はカウントされないとのことである。継続出願又は分割出願を行うなら、正規特許出願から6年未満の期間内に行うことをお勧めする。
(5)情報開示申告書(IDS)の過度な提出を抑制
今年1月から開始されているが、USPTOは、50件以下のIDSには庁費用を課さないが、51件以上から庁費用を徴収する。具体的には、51~100件までは200ドル、101~200件までは500ドル、201件以上になると800ドルが課される。米国代理人によると、過剰なIDSを避けるべきとアドバイスした。
(6)最後に
メルマガは今回で最終回となる。この場をかりて読者の皆様に御礼を申し上げたい。来年の皆様のご多幸を期待しております。
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