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目次
AIと知財
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(1)はじめに
ここ数年、AI(人工知能)の話題が活発である。AIの中でも、生成AIと呼ばれるジャンルのAIの話題が多い。生成AIとは、文字通り、何らかの入力に対して、テキスト、画像、音声等のコンテンツを生成するAIのことである。巷には、ChatGPT(OpenAI社)をはじめ、Gemini(Google社)、Copilot(Microsoft社)など数えきれないほどの生成AIがあふれている。筆者も、上記例示の生成AI他、いくつかのAIを試行し、一部、業務に役立てている。今回は、特許出願の拒絶対応、特許翻訳、およびプレゼンテーション資料作成に絞って、筆者の生成AI利用の一部を紹介したい。
(2)特許出願の拒絶対応
はじめに断っておくが、拒絶対応の際に生成AIを利用するのは、既に拒絶になった特許出願が公開されている場合にのみとし、早期審査によって公開前に拒絶が来たものについては利用していない。公開までは特許出願御内容は秘密情報だからである。
さて、拒絶対応には、筆者はChatGPTが使いやすいと考えている。ChatGPTは、有料版と無料版に分かれているが、有料版の方がベターであることは間違いない。しかし、無料版でも、ある程度は利用できる。
ChatGPTは、チャット形式でAIから回答をもらうのだが、肝心なことは、拒絶理由通知、引用文献、本件特許出願といった情報をChatGPTに提供して、まるなげ方式で、適切な応答案をもらえるかというと、そうではないということである。筆者は、試行としてまるなげ方式で回答を求めたが、ほぼ役に立たなかった。重要なことは、質問する人間(筆者)が拒絶応答案を最低2つくらい考えて、その妥当性をChatGPTに判断させるところから生成AIとの会話をスタートすることである。筆者の拒絶応答案を入力すると、その入力に対してChatGPTが答える。その答えに対して、筆者が納得するかどうかを判断し、もし納得しないなら重ねて質問・意見を入力する。このやりとりで、筆者は納得感のある回答を得ることができた。
(3)特許翻訳
特許翻訳には、Google、DeepLといっただいぶ前からよく知られたAI翻訳ツールが利用されている。特許翻訳の分野でも、ChatGPTを使うことができる。時には、ChatGPTの方が優れていることもある。ただし、いずれのAIを利用した翻訳でも、人間によるチェックは必要である。全くのまるなげで、チェックもしないレベルでAI翻訳を利用することは、現時点では不可である。また、日本語から英語へのAI翻訳で完成度の高い英訳を得たいなら、入力する日本語が良くないといけないことも特筆しておきたい。文法上、日本語よりも英語の方が優れているので、英語から日本語への翻訳の方がAI翻訳に適しているように思える。AI翻訳で人間によるチェックは必要なのだが、あっという間に、ミスが多少ある粗い翻訳を得ることができるというメリットは大きい。
(4)プレゼンテーション資料の作成
最近、外部講演をする機会が増えてきたので、生成AIがどこまで使えるかを試行してみた。具体的には、ChatGPT、GPT for Slides、Gemini、Copilot、Gamma、イルシルなどを試してみた。これら生成AIの中では、あくまでも私見ではあるが、Gamma(https://gamma.app/ja)が使いやすかった。プレゼンのタイトル案だけを決め、あとは生成AIにまるなげしたところ、なんとなくプレゼンの資料っぽいものを得ることができた。しかし、それは、筆者の意図した内容ではなかったので、やはり、まるなげ方式はやめた方がよい。次に、私が用意したプレゼンの項目をプロンプト欄に入力して資料作成をGammaに要求した。それなりに筆者の意図した資料ができたが、その後、人間の手を入れなければならなかった。しかし、最初から人間がマニュアルで資料を作ることに比べると、時間的には半分で済んだ。プレゼン資料のボリュームにもよるが、PowerPointで30~50枚程度の資料であれば、Gammaの利用により、大幅な時間の節約になることがわかった。Gammaは、資料中に、適切な画像を入れてくれるが、文字だけの資料であれば、ChatGPTでも十分使える感触をもった。
(5)次回は最終回
メルマガは、次回を最終回とする予定である。めぶき弁理士法人発足(2017年7月)から数えて、今月(2025年11月)で100回を過ぎた。一旦、メルマガの配信に一区切りをつけたいと思う。来月最終回を残してはいますが、この場をかりて御礼を申し上げたい。長い間、ありがとうございました。
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