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目次
1.米国と中国を指定した国際商標登録出願は要注意
2.弁理士作成等の特許出願原稿のチェックポイント
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(1)中国は、世界一位の商標出願大国であり、2020年の出願件数は、約935万件であった(注1)。米国は、世界第二位で、2020年度の出願件数は、約74万件であった(注2)。日本はというと、2017-2019年の3年間は19万件前後で安定しているとはいえ、2010年(約11万件)から10年というスパンで見ると増加傾向にある。
(2)日本に商標登録出願を行った出願人は、同じ商標を外国に出願する際、マドリッドプロトコルに基づく国際商標登録出願(以後、単に、「国際出願」という)を選択できる。米国および中国は、このプロトコルの加盟国であるから、国際出願の指定国に含めることが可能である。国際出願は、各指定国の代理人を経由せずに権利化できるので、低コストの出願といわれている。
国際出願では、日本の出願で指定した商品・役務と同一若しくはそれらに含まれる一部の商品・役務を指定しなければならない。この原則より、米国と中国という世界一位、二位の国に関しては、国際出願の指定国に含めるべきかどうか、十分注意を払うべきである。以下、経験を交えて述べる。
(3)米国
米国では、指定商品または指定役務を日本よりも具体的に記載しなければならない。例えば、日本の商標登録出願時に「薬剤」を指定商品とした場合、国際出願でも同じ指定商品を記載することになるが、「薬剤」のままだと、指定商品が具体的でないため、米国では拒絶理由を受けることになる。米国では、「頭痛薬」、「胃腸薬」といった、より具体的な薬剤を指定する必要がある。一旦、拒絶理由通知を受けると、米国代理人を介して手続きをしなければならず、結局、低コストの目的は果たせなくなる。日本の出願段階で、米国での権利化を念頭に入れて具体的な指定商品を記載するなら米国で拒絶を受けない可能性はある。しかし、そのような稀な状況を除けば、最初から、米国代理人を介して、直接、米国商標を出願する方が費用的に有利である。
(4)中国
中国は、日本とはかなり異なる指定商品・役務の記載を要求する。例えば、日本では普通に認められている指定商品「化学品」は、中国では補正命令の対象となり、「工業用化学品」に補正しなければならない。あるお客様からの話なので詳細は避けるが、国際出願で指定した商品・役務が、中国の指定商品・役務のリストにないことを理由に拒絶され、最終的には、中国に、別途、出願し直したという話もある。最近では、中国は、国際出願の場合には、通常の国内出願よりも指定商品・役務の記載要件について緩く対応しているようだが、依然として拒絶リスクはある。このリスクを低減するには、国際出願に先立ち、中国代理人に指定商品・役務の記載に問題がないかどうかにつきアドバイスをもらうのが好ましい。しかし、国際出願について有料でアドバイスをもらうくらいなら、国際出願とは別に中国に出願したほうが良い。また、中国には先行商標が沢山あるため、折角、国際出願しても拒絶されるかもしれない。拒絶をさけるために、中国では、出願前に中国代理人に先行商標調査を依頼して、先行商標と非類似の商標を出願したほうが良い場合もある。しかし、中国代理人に先行商標調査を有料で依頼するくらいなら、国際出願とは別に中国に出願したほうが良い。
(5)このような事情を考慮すると、米国と中国については、コスト低減を目的に、安易に国際出願で指定しないことをお勧めする。特に、指定商品・役務が冗長でシンプルではないような場合には、直接、米国や中国に出願したほうが、最終的に低コストにつながる可能性がある。
(注1) https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1892.html
(注2) https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2020/20201125_2.pdf
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最近、弁理士作成の明細書原稿や技術者の方が作成した特許出願原稿のアドバイスやセカンドオピニオンをすることが増えている。そこで出来上がった原稿を企業の知財部の方がチェックすべきポイントと、発明者の方がチェックすべきポイントをまとめ始めた。今回は、その途中段階だが各社様が自社特有なチェックポイントを作成される参考になればと思い、お出しする。貴社特有なものは、それが貴社のノウハウとなる。なお、誤記や理解ミスがあれば指摘することは当然であるので、それを除いている。
A.知財部の方がチェックすべきポイント
B.発明者の方がチェックすべきポイント
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