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目次
1.中国特許法第4次改正施行間近(2021年6月1日~)
2.リーガルテック(注1)企業(日本編)
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(1)はじめに
中国特許法の第4次改正の成立が予定よりも遅れたが、同法はいよいよ2021年6月1日から施行されることになった。第4次改正の主な事項については、NGB株式会社のサイト(注1)をご覧いただきたい。第4次改正は、故意侵害に対する懲罰的損害賠償、法定損害賠償額の引き上げ、審査遅延又は薬事承認の場合の特許権存続期間延長など、目玉となる改正事項を含む。見落としがちなのは、意匠(中国では、“外観設計“と称し、特許、実用新案と並び、専利三本柱の一つである)についても大きな改正が行われたことである。以下、意匠に絞って述べたい。(2)以下の内容は、現在、中国知財事務所所属で、過去に中国で元意匠審査官として活躍していたCさんから頂いた情報およびアドバイスを含む。
(2)部分意匠制度
現行法では、部分意匠は認められなかった。このため、日本の部分意匠の出願を基礎としてパリ条約優先権を主張して中国意匠登録出願を行う場合には、意匠の非特徴部分を描いた点線部分を実線に修正して全体意匠として登録せざるを得なかった。
しかし、第4次改正法施行後では、中国でも部分意匠について登録可能となる。ただし、日本の出願を基礎としてパリ条約優先権を主張する場合、日本の出願日(優先日)が2021年6月1日若しくはそれ以降でなければならない。
(3)存続期間の延長
現行法では、中国の意匠権の存続期間は、出願日から10年で満了する。しかし、第4次改正法施行後は、出願日から15年に延長される。ハーグ協定ジュネーブアクトの第17条(3)は、意匠権の保護期間を国際登録日から少なくとも15年と規定している(注2)。今回の改正は、中国がハーグ協定ジュネーブアクトに加盟するためのものである。ちなみに、日本の意匠権の保護期間は、出願日から25年である。
(4)国内優先権制度
現行法では、特許と実用新案のみに国内優先権が認められていた。しかし、第4次改正法施行後、意匠についても国内優先権が認められる。このため、先に中国で意匠Aにつき意匠登録出願を行い、その後、優先期間(=6カ月)以内に、意匠Aと完全同一ではないものの特徴部分を共通する実質的同一な意匠Bを追加し、意匠Aと意匠Bとを含む国内優先権主張出願を行い、権利化することが可能となる。なお、中国では、日本と異なり、意匠について「類似」という概念はなく、「実質的同一」という概念で意匠の同否が判断される。日本の類似範囲と、中国での実質的同一とは、必ずしもイコールではない。
国内優先権制度は、パリ条約優先権を主張する場合には利用できない。このため、日本の出願人が、先に日本で意匠登録出願し、その後パリ条約優先権を主張して中国に出願する場合には、国内優先権を利用できない。日本の個人または企業が中国で国内優先権を利用できるのは、パリ条約優先権を主張せずに、直接、中国に意匠登録出願を行った場合だけである。
(5)改正外の中国意匠の話
中国の現行法には、多意匠一出願制度がある。例えば、1つの本意匠と、本意匠と特徴部分を共通とする9つの意匠をまとめて合計10の意匠を一出願することが可能である。日本の改正意匠法では、類似か非類似かを問わず100個上限に複数の意匠をまとめて一出願できる。ただし、中国の多意匠一出願制度は、日本ほど緩くはない。ここで重要なポイントは、中国の多意匠一出願制度は、日本の出願人にとって利用価値が大きいことである。なぜか?中国には、セルフコリジョン(自己衝突)という後願排除規定があるからである(専利法第22条第2項、第23条第1項)。この規定は、特許や実用新案だけに適用されるかといえば、答えは「ノー」である。日本でいう意匠も中国では専利法の枠組みにあるため、意匠登録出願にもセルフコリジョンは適用される。この規定は、日本の特許法第29条の2(拡大された先願の範囲)と似ているようで、実は異なる。出願人が同一でも又は創作者が同一でも例外なく、先願意匠と完全若しくは実質的に同一の後願意匠は、後願意匠の出願日において先願意匠が非公開であっても登録不可となる。 具体例で話すとよくわかる。例えば、ある日本企業が、日本において、意匠Aを出願し、その4カ月後に、意匠Aに類似する意匠Bを関連意匠出願したとする。次に、同じ日本企業がパリ条約優先権を主張して、意匠Aを中国に出願し、その後、意匠Bについても同様に中国に出願したとする。この場合、日本では、意匠Aの出願と意匠Bの出願は、新規性、創作非容易性等の登録要件を具備すれば、問題なく登録になる。
しかし、中国では、意匠Bが意匠Aと実質的同一とみなされると、意匠Aの登録をもって意匠Bの出願はセルフコリジョンの規定に基づき拒絶される。ここが日本と異なる。では、どうすれば良かったのか?中国に出願する際に、意匠Aと意匠Bという2つの意匠を含む一出願を行えば良かったのである。もし、中国の方式審査にて、意匠Bが意匠Aと実質的同一の範囲から外れて非同一と認定されたときには、意匠Bだけ分割して別出願とすれば問題ない。一方、指摘されない場合には、意匠Aと意匠Bとを含んだ一出願のまま登録になる。意匠Aと意匠Bとが本当は実質的に同一の関係にあったとしても、登録されてしまえば、無効理由にはならない。
以上の例からわかるように、日本で、本意匠と関連意匠について、出願日が異なる複数の出願を行っている場合には、中国で一出願にまとめてセルフコリジョンを回避するのが得策である。要するに、多意匠一出願制度は、セルフコリジョン対策の一つである。したがって、出願人が類似関係にあると考えている複数の意匠については、中国では個々に出願するのではなく、まとめて一出願すべきである。
セルフコリジョンを回避するもう一つの方法は、日本の出願の段階から、互いに類似する意匠は、同日に出願することである。最近可能となった複数意匠一出願制度を利用するかどうかは問わない。そうすれば、中国で、多意匠一出願をせず、パリ条約優先権を主張して異なる日に別々の出願を行った場合であっても、日本の出願日が同一であれば中国でも同日出願とみなされ、セルフコリジョンの適用を受けないからである。
(注1)https://www.ngb.co.jp/resource/news/3595/
(注2)https://www.jpo.go.jp/system/design/hague/kisoku/document/index/01_kaisei_kyotei.pdf
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先日、ビッグメッセで人事・法務がらみの展示会があり、2021年4月7日に行ってきた。そこでは、リーガルテックの講演会(50分)があり聴講した。資料の配布は、残念ながら無し。外国(主に米国)と日本のリーガルテック企業の紹介があり、会社略称をメモしたので、紹介があった中で契約がらみの会社を下記する。今回は、日本関係。なお、私が最近調べた範囲では、日本において下記以外にかなり多数の会社が入ってきている。 私は、民間企業の法務知財関係顧問を4社にて行っているので、日本関係のリーガルテック企業の1~2社と契約して使い勝手を試してみようと思っている。なお、以下のリスト中、ホームページは、当方が後日見つけたもの。
1.契約書作成、レビュー
(1)LegalForce: https://legalforce-cloud.com
(2)ai-con:https://ai-con.lawyer/
(3)LAWGUE: https://lawgue.com/
2.契約書締結
(1)CLOUD SIGN:https://www.cloudsign.jp/
(2)GMO SIGN: https://www.gmosign.com/
3.契約マネージメント
(1)Holms:https://www.holmescloud.com/
(2)Hubble:https://hubble-docs.com/
(3)Marshall:ここは2021年4月1日よりLegalForceキャビネに製品名称を変更。
4.その他
また、次の米国発の会社(外国関係)も日本代理店があり、使用可能と思われる。
*Docu Sign:2003年IPO
https://go.docusign.com/o/trial/
https://www.quanz.co.jp/docusign/lp/
注1:「リーガルテック(LegalTech)」とは「法律(リーガル・Legal)」と「技術(テクノロジー・Technology)」を組み合わせた言葉で、X-Tech(クロステック)と呼ばれる、ITの活用で既存産業に新たな価値や仕組みを提供する領域の1分野のこと。
by https://www.holmescloud.com/useful/1977/#chapter-2
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