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新型コロナ感染症の影響を理由に期限徒過が許された例
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(1)2021年1月18日現在、日本国特許庁は、新型コロナ感染症の影響によって法定期間または指定期間を過ぎてしまった一部の手続については、有効なものとして取り扱う旨を、ホームページに掲載している(注1)。
(2)半年ほど前に、私自身が相談者にアドバイスして、法定期限が過ぎてしまった手続について後から有効なものと特許庁に認めてもらった例を、以下に紹介する。ただし、その詳細については紹介できないことをご容赦いただきたい。
(3)相談者は、拒絶査定不服審判の請求期限を過ぎて、審判請求書を提出した。その後、相談者は、特許庁から、期限を過ぎた審判請求であることを理由に手続を却下するとの通知を受けた。相談は、何とかならないか?というものである。
(4)相談者から期限徒過の理由を伺ったところ、相談者が今まで相談していた各県の知財相談窓口が、2020年春の緊急事態宣言を受けてクローズドとなり、十分に相談ができなかった、とのことであった。この相談を聞いて、ピンときました。これは、新型コロナ感染症の影響で期限が過ぎたと主張できる、と。
(5)そこで、特許庁に電話して、審判請求期限の徒過の理由を述べ、有効な手続きとして認めてもらえるかを訊いてみた。電話先の担当者は、「できます」とは明言しませんでした。しかし、電話で話した感触では、明言できないだけで、有効な手続きと認めてもらえそうに思いました。私は、相談者に対して、上申書に今回の期限徒過の理由を正直に5,6行で良いから書いて特許庁に提出するように、アドバイスしました。自信がないというなら、見てあげると添えて。案の定、相談者は、上申書を書いてもってきました。ここは、こうした方が良いですよ、と口頭で伝えたところ、相談者は原稿の一部を書き直しました。
(6)その後、相談者の期限徒過は許され、不服審判の審理が開始されました。期限徒過が許されたのは、私の経験では、これが初めてです。貴重な経験でした。
(注1)https://www.jpo.go.jp/news/koho/info/covid19_tetsuzuki_eikyo.html
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