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MEBUKI IP Small Talk １１月号（２０１８年）

１．オーストラリア・ニュージーランドの特許制度

２．知財がらみの「ランドスケープ」

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１．オーストラリア・ニュージーランドの特許制度

パートナー・弁理士　長谷川　洋

（１）オーストラリアは、日本の約20%の人口（約2500万人）と、日本の約20倍の面積（約770万ｋｍ２）とを有する国である。オーストラリア知財庁の今年の統計によれば、2017年の特許出願（仮出願等の特殊なものを除く）の件数は28,905件と3万件以下であり、日本の約10％である（注１）。

（２）ニュージーランドは、日本の約4％の人口（約500万人）と、日本の約75％の面積（約27万ｋｍ２）とを有する国である。ニュージーランド知財庁の今年の統計によれば、2017年の特許出願件数は、6,039件であり、日本の約2％強である（注２）。

（３）上記両国は、共に、英国王（現在、エリザベス女王2世）を国家元首とする立憲君主制を採る。知的財産制度も多くの共通点を有する。例えば、最初の拒絶理由通知が発行されると、特許許可までの期間が1年と設定され、その期間内に拒絶を解消しなければならない。ちなみに、インドにも類似の制度がある。1年以内なら、何度でも応答可能ではあるが、1年以内に特許許可が出ないときには、その特許出願は失効する。ちなみに、失効しそうな場合には、分割出願という防衛策がある。

（４）オーストラリアに限って言えば、日本、中国、台湾、欧州、米国、インド、イスラエルなどに比べて、極めて早期に特許を取得できる国と言える。私の経験ではあるが、拒絶理由通知が全く来ないことも時々あるが、通常は、1回来る。また、かなりチャレンジングな応答、すなわち、少しだけクレームを減縮するなどの応答をしても、そのまま特許許可になる傾向がある。さらに、オーストラリアは、保護対象について、特許法上、明記していない。このため、ヒトの治療方法、コンピュータプログラムそのもの、ビジネスモデルも保護対象になる（注３）。

（５）これに対して、ニュージーランドは、多くの国と同様、コンピュータプログラムそのものを特許の保護対象から外している（ＮＺ特許法第１１条、注３）。よって、コンピュータ等の装置、あるいは方法という形で特許を取得することになる。なお、コンピュータプログラムを格納した記録媒体で特許を取得できるか否かは、わからない。以上

（注１）AU　統計（この中のFig.1を参照）

https://www.ipaustralia.gov.au/ip-report-2018/patents

（注２）NZ　統計（IntroductionのAdobe Flashをクリックして表示されたグラフを参照）

https://www.iponz.govt.nz/about-iponz/facts-and-figures/#jumpto-application-volumes0

（注３）各国における近年の判例等を踏まえたコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状に関する調査研究報告書

https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken_kouhyou_h29/h29_02.pdf

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２．知財がらみの「ランドスケープ」

顧問・弁理士　渡邉秀治

ランドスケープ（英語: landscape）とは、風景、景色という意味。知財スキル標準2.0で、「IPランドスケープ」という項目が新たにできた。この意味は、マクロ経営・経済環境を踏まえた将来展望の提示、個別技術・特許等の動向把握、という意味。

知財スキル標準2.0

https://www.jpo.go.jp/sesaku/kigyo_chizai/chizai_skill_ver_2_0.htm

このこともあり、主に、知財がらみのランドスケープ関係の商標出願を調べた。最近の状況は、ベストライセンス（社長は上田氏：元弁理士）と正林氏（現弁理士）が競争している。

以下、記載順は、登録（出願番号）、商標名称、商品区分、権利者（出願人）出願日の順で記載する。

・登録5120765 パテントランドスケープ 42 45 株式会社プロパティ　2007/02/01

・登録6000370 ＩＰランドスケープ 16 35 36 45 正林　真之　 2017/04/26

・商願2017-095325 ＩＮＴＥＬＬＥＣＴＵＡＬ　ＰＲＯＰＥＲＴＹ　ＬＡＮＤＳＣＡＰＥ

　09 16 35 36 37 39 41 42 45 ベストライセンス株式会社 207/07/18　出願却下

・商願2018-013120 株式会社知財ランドスケープ　35 41 42 45 株式会社知財　ランドスケープ　登録査定：発送日(平30.10.23)

・商願2018-046915 ＩＮＴＥＬＬＥＣＴＵＡＬ　ＰＲＯＰＥＲＴＹ　ＬＡＮＤＳ　ＣＡＰＥ　09 16 35 36 37 39 41 42 45 ベストライセンス株式会社 207/07/18　出願却下処分：最終処分日(平30.10.26)

・商願2018-046920 ＩＰ　ＬＡＮＤＳＣＡＰＥ 09 16 35 他ベストライセンス　株式会社 2018/04/13　出願却下処分：最終処分日(平30.10.26)

・商願2018-047668 ＩＰ　Ｌａｎｄｓｃａｐｅ 16 35 36 他正林　真之　2018/04/13

・商願2018-047669 知財ランドスケープ 16 35 36 他正林　真之 2018/04/13

・商願2018-088675 ＩＰランドスケープ２．０ 16 35 36 他正林　真之　2018/07/09

・商願2018-088676 ＩＰ　Ｌａｎｄｓｃａｐｅ２．０ 16 35 36 他正林　真之　2018/07/09

「参考：知財とからまないもの」

・登録2006402 ＬＡＮＤＳＣＡＰＥ＼ランドスケ－プ 24 25 株式会社ガルデノ－ル

・登録4017719 ランドスケープ 20 株式会社イトーキ

・登録4071797 ＬＡＮＤＳＣＡＰＥ 29 マックストレーディング株式会社

・登録5718587 ランドスケープ 45 株式会社ランドスケープ

・登録5990911 ランドスケープ 09 12 41 ジャパンクリエイト株式会社

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１．オーストラリア・ニュージーランドの特許制度

２．知財がらみの「ランドスケープ」

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