私たちが責任をもって特許取得をサポートします
1.会社の倒産及び合併の場合の特許出願の処理
2.外国知財情報(イスラエル)
3.B to B ビジネスにブランディングは不要か?
発行: めぶき国際特許業務法人
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この度、7/18に、長谷川国際特許事務所は、「めぶき国際特許業務法人 横浜オフィス」としてスタートしました。先月(6月)号をお読み頂いた方は、 ご存知のことと思いますが、今月号からお読み頂いた方の中には初耳の方もいらっしゃると思います。その点、御容赦願います。今後とも宜しくお願いします。
さて、ここ数カ月、外国のクライアントで「他企業と合併」あるいは「倒産」という状況になった企業の特許出願の処理を経験しました。このような状況への対応で勉強させていただくこともありましたので、今月号に執筆することにしました。
まず、某クライアント企業が他の企業と合併した場合ですが、この場合には、一般承継になります。合併後の企業が、合併後に、特許庁長官に対して、出願人名義変更届と、合併を示す書類とを提出すれば良いことになります(特許法第34条第5項)。最初、合併前の某クライアント企業が問い合わせてきたが、合併前には何も手続きを行う必要はありませんでした。
次に、倒産した場合です。この場合、破産管財人が存在する場合には、破産管財人が倒産したクライアント企業に代わって署名等を行うことにより、第三者に特許を受ける権利を渡すことができます。倒産=権利消滅ではありません。 また、倒産した後、破産管財人を通じて第三者に特許を受ける権利を承継させる場合には、合併とは異なり、一般承継にはあたりません。法律上は特定承継になります。この場合、破産管財人が存在している間に、第三者への権利譲渡の手続きを行う必要があります。また、その手続きを通じて特許庁の原簿に新名義人の名前が掲載されたことをもって、権利承継の効力が生じます(一般承継とはその点で異なります)。破産管財人は、倒産した企業の財産を管理する立場にある人ですが、いつまでも存在するわけではなく、業務終了後には消滅します。したがって、倒産した場合の処理は、長々とやらず、迅速に行う必要があります。
それは、会社の場合、会社が消滅してしまうと、権利が消滅してしまうからです(特許法第76条準用)。
(相続人がない場合の特許権の消滅)
第七十六条 特許権は、民法第九百五十八条 の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、消滅する。
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イスラエルは、周辺のアラブ諸国との緊張状態若しくは戦闘を経験してきており、優れたセキュリティ(鍵も含む)関連発明、医薬関連発明を生み出しています。ロックのKABA社、ジェネリック医薬品のテバ社などは世界的にも有名な企業です。ちなみに、話はそれますが、毎年、外国からもらうクリスマスカードに関しては、イスラエルの法律事務所からもらったことはありません。
イスラエルは、オーストラリアや台湾と並び、特許取得容易な国の一つだと思います。米国と同様、出願審査請求制度はありません。イスラエルは、パリ条約にもPCTにも加盟しています。また、日本等の主要国との間でPPH(特許審査ハイウェイ)を活用できますので、日本や米国で特許許可になった件については、PPHを活用可能です。審査のスピードは、当方の経験上、他の国との比較では、中程度(2~3年)だと感じています。
イスラエルは、米国やインドと同様、情報開示申告を要します。情報開示申告は、米国、インド、イスラエル間で大きく異なります。イスラエルの場合、先行文献の開示を要しますが、拒絶理由通知や国際調査報告&見解書の提出は不要です。しかも、提出期限が緩いというのも特徴です(米国なら、原則として知ってから3か月、インドなら6カ月)。このため、米国やインドに比べると、情報開示の費用的および期限的な負担は軽いと言えます。
イスラエルへの出願は、英語かヘブライ語によります。日本からの場合、多くの場合、英語での出願になると思います。ただし、拒絶理由通知は、ヘブライ語で記載されています。現地事務所が英訳を付けてきますが、欧米の事務所よりは、理解しづらい英語のように思います。
まだまだ記載したいこともありますが、このくらいにしておきます。今後も、時折、外国知財情報を配信したいと思います。
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最近、ブランディングのコンサルティングをする機会が多いが、中小企業や大手企業の皆さんは勘違いをしている、と感じることが多い。それは次の3点である。
「勘違いと感じる内容」
1.ブランディングは、いわゆる最終ユーザー向けの商品を扱う会社(BtoCビジネスを行う会社)にとって必要なもので、企業向けの商品を扱う会社(BtoBビジネスを行う会社)にとっては、あまり必要はない。
2.ブランディングは、外向けのものである。
3.中小企業、中堅企業にとっては、ブランディングより、まず良い商品を作ること、良いサービスを行うことが先決である。
ブランディングの本質は、リピート客を作ることであると思う。そこには、お客さんからの信頼獲得と安定した品質作りがある。これは、BtoBも、BtoCも同じ。20年、50年と生き残ってきた会社には、その2つがあり、自社の良さを認識し、その良さをブランディングの中に入れ、それを意識した活動を行えば、地益向上、売上アップは確実である。この考え方は、特許事務所や個人にも当てはまる。当方、20数年にわたる特許事務所経営時代、安定した明細書作りを一番に意識していた。
また、ブランディングは、外向けのイメージが強いが、内部告発やSNSが盛んになっている現在では、従業員教育こそがブランディングの基礎であることを念頭に置かなくてはならない。いくら品質が良いとか、従業員を大事にしているとホームページなどで宣伝しても、ある一人の従業員や元従業員がSNSなどで反対のことをつぶやけば、全ての宣伝はおじゃんになってしまう。従業員を大切にし、その力を向上させる支援を行うことがブランディングの基礎となる。内部をしっかりさせた後、または並行して外部向けのブランディングを行うことになる。
現在、先進諸国は低成長であり、その中で勝ち抜く(生き残る)には、差別化が必須である。他社と同じような商品を、より高く売り、より多く売ることが必要。これができるのは、ブランディングを意識した経営戦略。良い商品を作ることが先決ではなく、ブランディングを意識した経営戦略(差別化戦略)がまずあって、その戦略からどのような物づくりをするか、サービスを行うかが決められる。
ブランディングは、会社内設備、従業員の服装、工場外観や内部など、目に見えるすべてのものや、全社員の意識など目に見えないものに及ぶ。社長や会社トップの考え方が反映される。日々の活動そのものがブランディング。なお特許事務所が扱う商標権の取得は、今後の生き残りのために必要であるが、商標権は、ブランディングの一部でしかない。
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