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1.人工知能(AI)関連情報(前編)
2.契約の講演と、秘密保持契約の注意点(3)
発行:長谷川国際特許事務所
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①Watsonって何?
ワトソン(Watson)と聞くと、何をイメージするだろうか?
生命科学の分野に携わる方であれば、DNAの螺旋構造を予言した科学者(ワトソン、クリック)の一人を思い浮かべるかもしれない。しかし、今、科学情報雑誌、インターネット等で頻出するWatsonといえば、米国IBM社が開発したコグニティヴ・コンピューティング・システム(Cognitive Computing System)の名前でしょう。Watsonは、その実態は、質問の趣旨を理解して大量の情報の中から適切な回答を選択し、回答するソフトウェアである。Watsonは、2011年に、人間のクイズ王と対戦する番組で見事勝利したことで有名になった。
(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/15/news038.html)
②Watsonの応用例
(1)以前より、医師から急性骨髄性白血病と診断された女性患者に抗がん剤を投与していたが、目立った効果が無かった。そこで、その患者の遺伝子情報をWatsonに入力したところ、Watsonは、その患者の病名が二次性白血病であることを見抜き、現投与の抗がん剤を別のものに変えるように指示した。その結果、患者は回復し、現在、通院治療中とのことである。
(http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05697850U6A800C1000000/)
(2)2015年2月、ソフトバンクテレコムと日本アイ・ビー・エム社は、Watsonの開発と日本市場への導入について提携した。
(https://japan.cnet.com/article/35060218/)
特に、Watsonは、日本語で質問しても、その日本語を理解して、的確な回答を出すアプリに応用可能である。
③AIの発展で無くなる職業と残る職業
オックスフォード大学の論文によれば、手縫いの仕立屋、コンピュータを使ったデータの収集・加工・分析、保険業者、貨物取扱人、税務申告代行者、銀行の新規口座開設担当者、データ入力作業員、保険金請求・保険契約代行者、証券会社の一般事務員、住宅ローンなどの融資担当者、自動車保険鑑定人、スポーツの審判員、レストランの案内係、動物のブリーダー、給与・福利厚生担当者、レジ係などのように、正確性を要求される職業、単純作業・マニュアル化しやすい職業、システム化することで計算、算出できる職業は、10年後には無くなる可能性が高いそうである。
(http://www.worksight.jp/issues/609.html)
逆に生き残る若しくは新しく生まれる職業としては、以下の8つの職業があるそうである。弁理士が無いのは残念であるが。
・記憶の演出家
・コミュニティ・オプティマイザー
・ロボット・アドヴァイザー
・企業文化のエキスパート
・単純化の専門家
・輸送アナリスト
・健康ガイド
・3Dプリントの構造設計者
次号(3月号)では、AIの特許について述べたい。
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当方、今年3月23日に株式会社情報機構のセミナー講師として東京にて講演をすることになった。一昨年に引き続いて行うもの。内容は、契約の基礎と技術関係契約のポイント(対象は、技術者様や法務関係者様)。詳しくは、下記HPを参照いただきたく。
http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/AC170315.php
なお、講師の紹介ですと、申し込み料金が割引となる。参加いただける方や参加の検討されている方が近くにおられましたら、割引用申し込み用紙(PDF)をメール添付にてお送りいたしますので、遠慮なく、下記メルアド宛にご連絡いただきたく。
h-watanabe@mebuki-iplf.jp
昨年の9月号にて「秘密保持契約-注意点は何か?」と題して少しお話をさせていただいた。そのときは、契約相手がどこの国であるかによって、こちらの注意度が違ってくることをお話させていただいた。今年の1月号では、秘密保持の対象について述べた。今回は、法律で保護される営業秘密と、契約で守られる秘密との関係についてお話をしたい。
法律で保護される営業秘密とは、不正競争防止法で規定し、その条件に合えば、他人が盗んだりすると、法律的に差し止めや損害賠償ができるものを言う。法的に保護される3つの条件の中で「秘密として管理されていること」という条件(具体的には下記①②の条件)に当てはまらず、裁判で負ける例が多い。
「秘密として管理されていること」の条件
①情報にアクセスできる者を制限すること。
②アクセスした者にそれが秘密であると認識できること。
一方、第三者との秘密保持契約では、その対象を自由に設定でき、秘密保持対象を広くすることができる。すなわち、「法律で守られる営業秘密<契約に規定する秘密」となる訳である。契約においては、対象を拡げることができるのである。なお、経済産業省の「営業秘密に関する法制度の運用実態」によれば、従業員の秘密保持に関しては、以下のとおり。 www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/08asia/07asia-2.pdf
「ほとんどすべての国の法制度において、使用者と従業員間の明示の特約がない場合にも、在職中については信義則や忠実 義務等を根拠に秘密保持義務が認められる。ただし、退職後の秘密保持義務については、ドイツやフランスのように特約がない場合には秘密保持義務が否定される場合もある。」「日本では、一般に被用者は、信義則上、雇用契約に付随して、雇用期間中及び退職後も秘密保持義務を負う。但し、退職後について は、自由競争の原理から、就業規則や個別契約がない限り、格別の背信的事情 がない場合には秘密保持義務違反は認められにくい。」
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